交通事故

交通事故を弁護士に無料相談の際に予め把握・準備すべきものとは?

交通事故を弁護士に無料相談の際に予め把握・準備すべきものとは?

交通事故に遭った場合には、どのように対処すればよいのかわからないでしょう。

そこで、多くの弁護士事務所では、無料相談を行っています。

では、無料相談で効果的なアドバイスをうけるためにはどのような事項を準備すればよいでしょうか。以下で解説します。

1.交通事故の無料相談について

現在では、初回の法律相談を無料で行っている弁護士事務所も多く存在します。

その弁護士事務所が取り扱っている分野のお悩みについて、一般的には1回あたり30分程度から2時間まで、無料で弁護士に相談できるというものです。

相談時間は弁護士事務所によりけりですが、上記のような時間制限がある場合、相談者は弁護士に対し効率的に情報を提供しないと、効果的なアドバイスを受けることはできないまま相談時間が終わってしまう可能性があります。

ただし、弁護士事務所により異なりますが、無料相談が複数回可能な場合もありますので、相談をされる弁護士事務所に事前に確認されることをお勧めします。

2.適切なアドバイスをうけるための準備

上記のとおり、効率的に相談内容である交通事故の情報を提供するためには、どのようにすればよいでしょうか。

交通事故に遭ってから相談する時期は相談者によりけりで、一概に特定できないため、以下では概括的に準備すべき事項を説明します。

必要な事項を適宜参考にして頂ければと思います。

(1) 準備すべき事項

例えば、以下の項目を書き出して、メモ書きにする方式で説明することが有効です。

①当事者の関係

被害者が入院等している場合、家族や親族が代理でご相談に来る場合があるかもしれません。もし相談者が事故の被害者ご本人でない場合、交通事故に遭った方を特定(氏名、住所、年齢、性別の特定です)しておいてください。なお、相談者との関係も述べてください。

用意すべき資料として、住民票までは不要ですが、最低限上記の事項をメモしておいてください。

また、加害車本人も特定(住所、氏名、電話番号等の連絡先、性別、年齢)してください。

用意すべき資料は、ベストなのは交通事故証明書ですが、交通事故から間もない場合には、名刺等でも構いません。

なお、交通事故証明書は、交通事故があった事実を証明する基本的な書類です。事故を届け出た警察署を経由して取得することもできますし、いわゆる免許センターに出向いて取得することも可能です。

②物損関係

被害車両を車検証で特定(車両番号、所有者、登録年月日等車検料記載事項)してください。用意すべき資料は車検証です。

車検証は、写しが構いませんが、紛失した場合には、お近くの陸運局で取得します。

また、軽自動車の場合には軽自動車協会で取得します。

これに加え、加害車両も特定(車両番号、所有者等)してください。なお必要な資料は、交通事故証明書または車検証がベストですが、交通事故から間もない場合には、車両番号のみでも構いません。

③加害者の代理人弁護士の有無

加害者側に弁護士が就いている場合には、可能ならば弁護士名、連絡先をお伝えください。

④保険会社に関すること

・自賠責保険関係

まずは加害者が自賠責保険に加入しているか否かです。加入しているのであれば、自賠責保険会社の名称です。

今後被害者が加害者に自賠責保険に対し請求する可能性があるからです(これを被害者請求といいます)。

また、自賠責保険に加入していない場合には、弁護士としては政府保障事業や被害者の人身傷害保険を用いるという回答を用意する必要があります。

用意すべき資料は交通事故証明書です。

・任意保険関係

加害者が任意保険に加入しているか否かを確認してください。任意保険に加入しているのであれば、弁護士としては、賠償の資力については問題がないものと判断でき、さらに治療費の立替え等が可能となるいわゆる一括対応が可能となりますし、後遺障害の認定においても簡易な手続きで行える事前認定の手続きも可能であることをご紹介できるからです。

用意すべき資料としては保険会社の連絡先です。特に担当者名を忘れないでください。

・車両保険、人身傷害保険関係

被害者が車両保険人身傷害保険に加入している場合には、自己の過失の有無に関わらず、車両破損に係る損害については車両保険で、被害者の人身傷害に係る損害については人身傷害保険でカバーすることができるからです。

これは、例えば、被害者の過失割合が極めて大きい場合や加害者が無保険等で賠償の資力がない場合に、ご提案できる内容です。

⑤事故内容の関係

・事故を特定する事項

交通事故を特定する内容です。日時、場所、当事者及び事故の態様について特定する必要があります。

弁護士が主として過失割合を判定する際に、事故の状況は必須であるからです。

・事故の状況を示す書類

まずは、交通事故証明書によって特定します。

次に、特に事故の態様については、人傷事故(交通事故により人に傷害が生じた事故)においては、刑事事件化している実況見分調書により特定します。

実況見分調書は、基本的には加害者に処分結果が生じた後に検察庁で閲覧謄写をすることができます(検察官は被害者に対し処分結果を連絡することになっているので、そのタイミングで閲覧謄写申請の時期がわかります)。

また、物件事故(交通事故により人に傷害が生ぜず車両のみ損傷した事故)については、物件事故報告書が所轄の警察署で作成されておりますが、これの取り付けは、弁護士に依頼したほうがよさそうです。

⑥責任原因の関係

・運行供用者の特定

運行供用者とは、いわゆる自賠法上の責任で、車両の運行の用に供した者は、過失がないことを証明しないと傷害等を負った被害者に賠償責任を負うという責任です。

これは、加害車両の車検証と交通事故証明書で特定します。

・使用者責任の特定

使用者責任とは、事業のために他人を使用した者はその他人が事業の執行のために被害者に損害を与えた場合には、賠償責任を負うというものです。

例えば加害者が外回りのときに事故を起こした場合です。このような場合には会社に対しても交通事故に係る損害賠償をすることができるからです。

用意すべき資料は加害車の名刺、加害車両の写真などです。

・不法行為責任
加害者本人を特定することが必要です。用意すべき資料は交通事故証明書です。なお、運行供用者責任と異なり、不法行為責任においては被害者側が加害者の過失を証明する責任がありますので、ご注意ください。

⑦被害状況の関係

・傷病名

診断書等で特定します。診断書は受診している医療機関から発行してもらってください。

交通事故証明書において人身事故で届出をする際に必要となります。

また診断書料は、文書料として加害者に賠償請求することができます。

・治療経過

いつからいつまでどこの病院に入院または通院していたのかです。これにより入通院慰謝料などの算定の基礎となります。

用意すべき資料は、一覧表の形で整理したもので結構です。

・後遺障害

後遺障害とは、症状固定(治療を継続しても症状が改善しない状態)に至っても残存する症状をいいますが、後遺障害がある場合には通常は損害保険料率算出機構からの後遺障害の等級認定書があるはずです。

これにより、後記の逸失利益及び後遺障害慰謝料の算定の基礎となります。

⑧損害の関係

・治療費

任意保険会社が一括対応をしている場合、治療費の自費負担はしていないので、治療費の資料が必要な場合は、整骨院・鍼灸等の治療費(施術費)を一部自己負担している場合、保険会社の治療費の打ち切り後も治療を継続した場合です。

これらの場合に用意すべき資料は、これらの機関からの領収書です。

・付添費

被害者が幼児、または症状が重く近親者の付き添いが必要な場合などに、近親者等が付き添った事実があるときは、一定額を損害として認めるのが付添費です。

そして必要な資料は、付き添った日をまとめた一覧表などです。

・交通費

入通院のために支出を余儀なくされた交通費は損害として加害者に請求することができます。必要な資料は、入通院の日をまとめた一覧表です。

タクシー通院を行った場合にはタクシーの領収書です。

・入院雑費

入院雑費とは、入院をする際に様々な支出(例えばテレビ使用料、シーツ代等)がありますが、ここの支出を定額化し、一定額を入院の事実があれば日額定額で加害者に請求することができます。

必要な資料は、入院日をまとめた一覧表です。

・休業損害

休業損害とは、交通事故により休業した場合の損害のことをいいます。休業損害は、通常交通事故前3か月の平均賃金で計算します。

必要な資料は、給与所得者であれば給与明細(交通事故3か月前)、源泉徴収票、事業所得者であれば確定申告書です。

・後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、後遺障害により労働能力が低下したため就労可能年齢(主として67歳)まで本来稼得出来るはすであった収入を損害とするものです。

計算式は、①基礎収入×②後遺障害認定等級に対応した労働能力喪失率×中間利息控除率で算出します。

したがって必要な資料は、①の基礎収入に対応する資料として症状固定時の給与明細、源泉徴収票、確定申告書です。

また②の労働能力喪失率に対応する資料として後遺障害等級の認定書も必要です。

・後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、被害者が交通事故により後遺障害を負ったこと基づく精神的苦痛を金銭で評価したものであり、実務上は後遺障害等級によって定額化されています。

必要な資料は、後遺障害等級の認定書です。

・入通院慰謝料

入通院慰謝料は、被害者が交通事故により入通院を余儀なくされたことに基づく精神的苦痛を金銭で評価したものであり、実務上は、入通院期間等で定額化されております。

必要な資料は入通院の日がわかる一覧表です。

(2) 死亡事故の場合

主として、死亡時までの上記に加えて、以下の事項が必要です。

①死亡逸失利益関係

死亡逸失利益とは、死亡時から就労可能年齢(主として67歳)までに本来稼得できた収入の減少を損害とするものです。必要な資料としては、源泉徴収票、確定申告書です。

なお、死亡逸失利益に特有の事項として生活費控除があります。

死亡逸失利益を生活費控除なしに計算すると、死亡時から就労可能年齢までの生活費分だけ余分に逸失利益が計上されてしまいます。

そこで、世帯の状況に応じて(例えば一家の支柱であったのか、性別等)によって生活費控除率を定めることとされています。必要な資料は、世帯の状況を示した一覧表です。

②葬儀費

葬儀費用に係る領収書等が必要になります。

③慰謝料関係

死亡した被害者に加えて遺族(近親者)の慰謝料も請求することができます。

必要な資料は世帯の状況を示した一覧表です。

3.泉総合法律事務所も初回相談は無料

以上のとおり、無料相談において把握・準備すべき事項・書類をまとめてみました。これに参考されることにより、弁護士から効果的なアドバイスが得られることと思います。

泉総合法律事務所では、交通事故の初回相談は無料で承っております。どうぞご安心してご利用頂ければと思います。

無料相談受付中! Tel: 0120-355-020 平日9:30~21:00/土日祝9:30~18:30
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