債務整理

持ち家がある人の自己破産

持ち家がある人の自己破産

住宅ローンを組んで自宅を購入した後、失職・減収などで住宅ローンの返済に行き詰まってしまう方も多いでしょう。

もちろん、失職や減収以外の事情が原因で住宅ローンの返済が遅れがちになってしまったり、住宅ローン以外の借金が膨れ上がってしまった場合、自己破産を検討した方が良いかもしれません。

ここでは、住宅ローンが残っている持ち家がある人の自己破産について解説していきます。

1.債務整理の3つの方法

借金を整理する方法は、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」の3つがあります。

簡単ですが、3つの手続の違いは以下の表の通りです。

目的 メリット デメリット
任意整理 利息をカットし、元金を分割で支払う
  • 支払総額の減額
  • 長期の分割が可能になれば毎月の返済金額を抑えることができる
  • 信用情報機関に登録
個人再生 借金(住宅ローンを除く)を概ね5分の1に減額し、3~5年かけて支払う
  • 自宅などの財産を残せる

 

  • 信用情報機関に登録
  • 借金の総額などに一定の要件あり
  • 官報に載る
自己破産 借金を全額免除してもらう
  • 借金を全額免除することが可能
  • 手続は2~4ヶ月程で早期に借金から解放される
  • 信用情報機関に登録
  • 資格制限あり
  • 手続をしても借金が免除にならない可能性がある
  • 換価見込みがある財産は基本的には残せない
  • 官報に載る

任意整理と個人再生は、基本的には「借金を支払っていく」手続であり、中でも個人再生は、住宅ローン以外の借金を5分の1に出来れば、住宅ローンを支払い続けることが可能な方にとっては非常に魅力的な手続であると言えます。

しかし、持ち家を残したい希望があっても、今後住宅ローンなどの借金を支払うことがどうしても出来ない方は、持ち家を諦め、自己破産することがベストです。

2.自己破産とは

自己破産のメリット・デメリットは、先ほどの表の通りになりますが、財産が全て没収・換価されてしまうわけではありません。

自己破産の法律では、「自由財産」という残せる財産が定められており、自由財産は99万円を超えない現金や、年金、生活保護、給料の4分の3など差し押さえが禁止された財産です。

自己破産とは、借金を免除する代わりに、自由財産では無い財産を手放す手続です。そして、持ち家は自由財産には含まれません。

3.「管財事件」と「同時廃止」

自己破産には、管財事件同時廃止の2つの手続があります。

自己破産手続は、原則、裁判所が選任する破産管財人という弁護士が就いて財産の換価や借金の免除にあたっての調査をします。

破産管財人には最低200、000円の報酬を支払わなければならず、このような手続を管財事件と言います。

一方で、同時廃止とは、そもそも破産管財人が換価する財産が無く、借金の事情に問題(ギャンブルなどの免責不許可事由)が無い方が利用出来る例外的な手続です。

持ち家は不動産ですから、破産管財人が処分すべき財産であるため、必然的に管財事件になると思われがちですが、決してそのようなことはありません。

4.持ち家は財産となるか-オーバーローンについて

持ち家がある方が自己破産する場合、その不動産の資産性は、住宅ローン残高と査定金額の比率で判断されます。

例えば、住宅ローンが2000万円(分子)残っていて、不動産の査定金額が1000万円(分母)だった場合、

オーバーローンについての解説

比率は2倍となり、仮に持ち家を1000万円で任意売却出来て、住宅ローン2000万円に売却代金1000万円が充てられても、住宅ローンが1000万円は残ってしまうと考えられます。この状態を「オーバーローン」と言います。

東京、千葉、埼玉の裁判所では、このオーバーローンの比率が1.5倍以上の場合、その不動産の資産性は無いと言って良い運用になっています(神奈川の裁判所は1.2倍以上)。つまり、先ほどのケースの場合、持ち家があってもオーバーローンが2倍で、他に破産管財人が換価するような財産が無く、免責不許可事由も無ければ同時廃止手続が可能ということです。

5.持ち家があっても同時廃止が可能な場合

東京、千葉、埼玉の場合

(1) オーバーローン1.5倍以上の場合

これは先ほども説明した通り、他に破産管財人が換価するような財産が無く、免責不許可事由も無ければ同時廃止が可能です。

これは、オーバーローンの比率が1.5倍以上だと、破産管財人がどんなに頑張って高く売っても、住宅ローン以外の債権者に配当出来るだけのお金は確保出来ないだろうという考えに基づくものとされています。

(2) オーバーローンが1.00~1.49倍のケース

オーバーローン状態ではあるけれど、裁判所の運用で資産性がありと判断されてしまう比率のケースです。

これは、慎重にならないといけませんが、持ち家を自己破産の申立する前に任意売却し、他に破産管財人が換価するような財産が無く、免責不許可事由も無ければ同時廃止が可能になります。

ですが、裁判所は自己破産申立前の不動産の任意売却については細かく報告を求めてきますので、予め査定を取り、その査定金額に近い金額で任意売却するのが良いでしょう。

6.持ち家の処分を破産管財人に委ねた方が良いケース

これは以下のようなケースです。

持ち家の処分を破産管財人に委ねた方が良いケース

比率が0.91倍と1倍を下回ってしまっており、このような状態を「アンダーローン」と言います。

このようなケースは、持ち家を2200万円で任意売却出来れば、住宅ローン2000万円は完済になります。

完済後、200万円の余剰金が発生しますが、これは住宅ローン以外の借金に充てる(配当する)べき財産と考えられるため、このようなケースは持ち家の処分を破産管財人に委ねた方が良いと言えます。

もっとも、余りにもアンダーローンの比率が低い場合は、持ち家売却後、住宅ローンのみならず他の借金も完済出来る可能性がありますので、そもそもの債務整理の方針を検討した方が良いでしょう。

場合によっては自己破産する必要はないのかもしれません。

7.まとめ

以上が、住宅ローンが残っている持ち家がある人の自己破産についての解説です。

必ずしも、「不動産を持っている=管財事件」というわけではありません。しかし、同時廃止で自己破産が出来ても、その後住宅ローン会社主導による任意売却や競売により、持ち家が処分されることは変わりません。

自己破産する以上、持ち家は必ず手放さなければならないのです。

泉総合法律事務所では、持ち家などの不動産を持っている方の自己破産手続の事例が豊富にあります。

お客様1人1人にベストな解決方法をご提案することが可能ですので、借金問題にお困りの方は是非泉総合法律事務所までお気軽にご相談ください。借金問題に関する相談は何度でも無料です。

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