債務整理

自己破産して生活保護を受けられるのか?知っておくべき債務整理知識

自己破産して生活保護を受けられるのか?知っておくべき債務整理知識

借金の支払いがどうしてもできないときは、自己破産すれば借金が全額免除になりますが、それほど困っている状況であれば、生活保護を検討する方もいることでしょう。

しかし、自己破産をしたら生活保護を受けられるとか受けられない、など、様々な噂があります。

果たして自己破産をした場合、生活保護は受給できるのでしょうか。

1.自己破産と生活保護

結論から言えば、自己破産をした場合でも生活保護受給は可能です。

生活保護受給資格は以下の通りで、以下の基準を満たしていれば申請が認められます。

①生活を支援する人がいない

家族や親族など、生活費の援助をしてくれる人がいる場合は生活保護を受給することができませんが、援助者がいない場合は受給対象となります。

②価値のある財産を所有していない

家や車、土地など、資産価値のある財産を保有していると、生活保護を受ける前に財産を処分して生活費に充てることが求められます。

しかし、自己破産をした場合、価値のある財産は没収されるので、少なくとも破産をすれば自動的にこの条件は満たせることになります。

③収入が生活維持できる水準に満たない

収入が一定の基準以下しかない場合、生活保護を受給することができます。

基準額は自治体ごとに決まっているので、詳しくはお住いの市町村に問い合わせて下さい。

上記の3つの条件を満たしている場合は生活保護受給が可能で、自己破産をしている場合でも認められます。

2.自己破産をする前に生活保護を申請しておくべきか

自己破産をするときには、借金払いができない状況なので、当然生活も困窮している人が大半です。

生活保護は自己破産を待たずにするべきなのでしょうか?

(1) 自己破産前でも生活保護は申請できる

生活保護は先述の条件を満たしていれば受給することが可能です。

自己破産のタイミングには関係がありません。

また、自己破産手続中に生活保護受給を受けることも可能です。

(2) 自己破産と生活保護はどちらを先にすべきか

自己破産前は借金の督促が山のようにきますが、生活保護費は原則借金払いに充てることはできません

もし、借金払いに充てるといことが分かれば、申請を認めてもらえない可能性が高いでしょう。

もし内緒で受給できたとしても、判明した時点で生活保護を打ち切られる恐れがあります。

そのため、生活保護を受給するのであれば、その前に弁護士に相談をして債務整理するのが現実的です。

債務整理の中でも借金が全額免除されるのは自己破産だけなので、生活保護受給が前提であれば自己破産を選ぶことが多いでしょう。

生活保護の相談員であるケースワーカーからもそのように指導される可能性は高いです。

しかし、自己破産前に生活保護を受けていれば、破産の手続費用を大幅に減らすことが可能です。

一方、自己破産したあとに生活保護を受給する場合はそのような恩恵はありません。

正直な話、自己破産後に生活保護受給をすると損をするので、生活保護申請と自己破産手続のタイミングは法律の専門家と相談をして決めるのがベストです。

生活保護受給者の自己破産時のメリットについては以下で解説します。

3.生活保護で自己破産の費用が免除?

生活保護受給者は自己破産の費用を支援してもらうことが可能です。

自己破産には同時廃止と管財事件の2つがあり、高価な財産がない場合は同時廃止として処理されます。

同時廃止は回収する財産がなく手続きも簡略化されるので、裁判所に収める費用も安く相場は2万円程度です。

しかし、自己破産する場合は弁護士が必要で、依頼費用の相場は20~30万円程度です。

生活保護を受給しないまでも、借金払いに追われている人が数十万円の破産費用は大きな負担です。ましてや、生活保護を受給している人にとっては、数か月分の生活費に相当するお金を支払うことになるので、ハードルが余りに高いと言わざるを得ません。

債務整理は生活を再建するための制度であり、自己破産が原因で生活を圧迫するのは本末転倒です。

そうした事態を防ぐために、生活保護者に対しては制度上優遇措置がとられています。

(1) 生活保護を受けると法テラスの弁護士費用が免除

法テラスは政府が資金を出し、法務省が管轄している組織で、正式名称は日本司法支援センターです。

法テラスは経済的に困窮している人が、費用の心配なく法律扶助を受けられるようにする目的で設立され、無料の法律相談や弁護士費用の立て替えを行っています

法テラスが利用できるのは収入と資産が基準以下の人で、対象者と認められた場合は、法テラスが弁護士費用を一括で払い、利用者は分割払いで法テラスに返済(償還)をします。毎月の返済額は5,000~10,000円程度です。

しかし、生活保護受給者については、法テラスが立て替えたお金を返さずに済むことがあります。手続きが終了した時点で生活保護を受給していれば、費用の償還義務が免除されるのです。

ただし、生活保護受給が一時的なものだったり、自己破産手続終了までに生活保護を抜けたりした場合は、費用は返す必要があります。

(2) 裁判所への費用も立替可能

法テラスが行う費用の立て替えは基本的に弁護士費用だけです。しかし、自己破産をする場合には裁判所に支払うお金も必要です。

同時廃止であれば2万円ほどですが、管財事件になると20万円以上となり、破産者にとっては大きな負担となります。

そのため、近年では裁判所に収める費用についても法テラスで立て替えを行うようになりました。

こうした費用を立て替えてもらった場合、自己破産手続終了時点で生活保護を受けている人については返済が免除されます。

4.自己破産の疑問は泉総合法律事務所へ

自己破産後に生活保護を受けることは可能ですが、生活保護を受けてから自己破産をすると、法テラスの利用により自己破産の費用を実質無料にできるかもしれません。

しかし、借金を抱えている場合は、生活保護を受ける前に債務整理をするように指導される可能性が高いでしょう。

もし、そうしたケースでお困りの場合は、弁護士にご相談ください。

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