生活苦に陥る人が急増中!生活苦の理由と貧困・借金生活からの脱出法
現在、生活が苦しいと感じる人の割合が増えているようです。
「低所得者」「貧困女子」「子供の貧困」「下流老人」などの言葉が流行り、いくつかは流行語大賞にノミネートされたことも記憶に新しいところです。
先進国であるはずの日本で、なぜ生活苦に陥る人が増えているのでしょうか?
また、そこから抜け出すにはどうしたら良いのでしょうか?
ここでは、生活が苦しいと感じている方に向けて、貧困からの脱出方法と、生活を圧迫する借金の解決方法を、弁護士から解説します。
このコラムの目次
1.日本における生活苦の実情
かつての日本社会には「一億総中流」という言葉があり、少なくとも高度経済成長期からバブル崩壊までは、「自分が頑張れば中流の生活はできる」と信じられていました。
ここで言う中流とは、家や車を持ち、人並みに家族を養い子供の進学もさせられる程度の余裕がある生活です。
しかし、その後のバブル崩壊、リーマンショックなどを経て、中流家庭は大幅に減少し、今の日本社会では高所得 or 低所得の二極化が進んでいます。
厚生労働省の平成28年の「国民生活基礎調査」によると、相対的貧困の状態にある人は全体の15.7%にのぼることが判明。実に日本人の約6人に1人が低所得=下流という実態が浮かび上がりました。
参考:平成28年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)
所得の二極化は低所得者の増加という面が強く、現在「中流」でも、今の社会ではちょっとしたアクシデントをきっかけに、誰もが下流に転落するリスクがあるのです。
2.生活苦になる原因
生活苦に陥る原因は様々です。いくら計画的に生活していても、生きている以上突発的なトラブルや出費はつきものです。
今の日本社会では、以下のきっかけがあれば、いとも簡単に下流に転落してしまいます。
- リストラ
特に40~50代になってリストラされると、仕事を選んでいる場合ではなく、待遇は落ちても雇ってくれるところで働くのみとなり、収入大幅ダウンも受け入れざるを得ません。- 非正規雇用
20~40代で生活苦を感じている人は、非正規雇用が圧倒的多数です。正社員と同じだけ働いても賃金は低く、ボーナスや社会保障もありません。- 病気
近年特に多いのはうつ病による休職です。仕事のストレスでうつ病になり、そのまま退職、資産を使い果たしてしまうパターンです。- 離婚
特に専業主婦やパートで働いていた女性にとっては、離婚が生活苦への入り口となってしまうケースは少なくありません。低賃金のパートやアルバイトしか見つからないことも多々あるでしょう。- 介護
介護は先が見えない分、費用の目途が立たないのが特徴です。十分な蓄えがある人でも、介護をきっかけに貧困層になってしまうことはよくある話です。- 浪費・ギャンブル
自己破産するほど困っている人でも、浪費やギャンブルがきっかけというのは全体の10%で意外と割合は低いです。しかし、依存症も含まれているので、一概に自己責任とまでは言えません。
このように、生活苦の原因は様々ですが、現在の状況から抜け出すにはどうしたら良いのでしょうか?
3.生活苦から脱出するためにできること
生活苦から脱出できることは、支出を減らすこと、収入を増やすこと、借金を減らすことのいずれかでしょう。
(1) 支出を減らすためにできること
生活苦だと思ったら、現在の生活費の収支の見直しに取り掛かりましょう。
よくよく見直しをすると、意外に無駄な出費があることに気が付きます。交際費や外食代など、削れる支出は極力減らし、お金があれば少しでも貯蓄に回すように心がけましょう。
また、生活が苦しいと言っている人の中には、身の丈に合わない生活をしているケースも少なくありません。
十分な収入がないのにも関わらず、流行りのレストランや高級エステに行き、借金してでも友達と海外旅行に行ってしまうこともあるといいます。
思い当たる節がある場合は、できるだけ生活をシンプルにしましょう。
とはいえ、節約をするにも限度はあるので、生活の工夫をすることで支出を減らすことを考えると良いかもしれません。
毎月支払いをしている携帯代は適正価格か、使えるクーポンや割引券はフル活用しているかなど、生活に関する様々なことを見直してみることがおすすめです。
(2) 収入を増やすためにできること
収入を増やすためにできることは、第一には正社員を目指すことです。正社員は福利厚生も充実し、病気や失業の際も手当てがでるので安心感が違います。
また、年2回支給されるボーナスの存在も大きいです。定期的にまとまったお金が入れば生活苦から脱出することも可能です。
正社員になれない、正社員で働ける状態にない、という場合は、副業をすることを考えましょう。
現在はインターネットも発達し、誰でも簡単に副業ができる時代です。空いた時間にできる仕事は、介護などの事情がある人にはおすすめです。
副業のポイントは、とにかく無理をしないことです。お金がないからと体を壊すような働き方をしたり、夜の仕事に手を出したりすると長続きしません。
その後、自分が心身ともに病んでしまう可能性が高く、より深刻な生活苦に陥るリスクがあります。
もし、できる範囲で働いても生活苦であるなら、思い切って親族や行政機関に相談をしてみましょう。
病気や失業などで働けない状況にある場合は、生活保護を受給することも可能です。
[参考記事]
自己破産して生活保護を受けられるのか?知っておくべき債務整理知識
(3) 借金を減らすためにできること(債務整理)
生活苦から抜け出す目途が立たないくらいの借金を抱えている場合は、債務整理することをおすすめします。
債務整理は合法的に借金を整理する制度で、手続きが認められれば借金を減額、または全額免除してもらうことができます。
債務整理=破産と思いがちですが、自己破産以外にも任意整理、個人再生があり、状況に合わせて適切な制度を選択します。
それぞれの制度の特徴は以下の通りです。
①任意整理
任意整理は、債権者と裁判外で個別に交渉し、将来の利息を免除・長期の分割払いを認めてもらう制度です。
原則元金のカットはありませんが、サラ金に毎月利息だけ払っているような返済状況であれば、任意整理をするだけでも随分楽になります。
裁判所を介さずに手続きできるので費用が安く済み、家族にも内緒で手続きすることも可能です。
②個人再生
個人再生は借金をおよそ1/5程度まで減額可能(債権総額や保有している資産額により変わってきます。)で、額の大きい借金を抱えている人に適した制度です。
手続き自体は複雑ですが、自己破産のようにマイホームなどの財産を処分する必要が原則としてないので、住宅を守りたい人には特におすすめです。
[参考記事]
個人再生で債権者に反対されたらどうすればいい?
③自己破産
自己破産は、借金の支払い義務を原則としてすべて免除してもらう制度です。借金免責の代わりに手持ちの財産は原則として処分されますが、年金などの差し押さえ禁止財産や99万円までの現金などは手元に残すことが可能です。
自宅や車などは処分されてしまう可能性が高いですが、身の回り品(生活必需品である家具家財)も手元に残せるので、住居が賃貸の場合は破産後もそれまでとさほど変わらない生活をすることが可能です。
[参考記事]
自己破産は泉総合法律事務所松戸支店にお任せください!
4.まとめ
現代の日本社会では、病気や失業など、何らかのきっかけがあれば誰でも生活苦に陥る可能性があります。
生活苦の原因が借金返済にあるときは、泉総合法律事務所にご相談下さい。ご相談者様それぞれの状況に合わせて、ベストの解決方法をご提案させて頂きます。
債務整理は経済的な再建を目指す制度なので、生活苦から脱出するチャンスにできます。
借金問題は一人で抱えず、専門家と一緒に解決していきましょう。
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