刑事事件

他人のクレジットカードを不正利用した場合|窃盗罪・詐欺罪

他人のクレジットカードを不正利用した場合|窃盗罪・詐欺罪

この記事を読んでいる方の中には、ニュースでつい出来心で、拾ったクレジットカードを使ってしまって犯罪を起こした人を見聞きしたり、ご家族が他人のクレジットカードを使ってしまったことがわかって心配されていたり、クレジットカードの盗用についてどのような罪になるのか知りたいと思っている方がいらっしゃると思います。

結論からいいますと、他人のクレジットカードを不正に利用する行為は、刑法上の犯罪に該当します。それも、不正利用の態様によっては、複数の罪に問われてしまう可能性があります。

クレジットカードは大変便利なものですが、トラブルを起こしてしまう前に、クレジットカードの不正利用についてどういう罪になるか、知っておきましょう。

1.クレジットカードを使った犯罪が急増

以前は、盗みといえば現金や宝石などの形のあるものが対象でしたが、現代のようなネット社会ではクレジットカードを使った決済手段が発達し、それにともなってクレジットカードを使った犯罪が急増しています。

(1) クレジットカードを使った犯罪の態様

クレジットカードを使った犯罪の態様はさまざまです。

①拾得したクレジットカードを使う

ひとつ目は、拾得したクレジットカードを使ってしまうという場合です。

クレジットカード決済のためには、暗証番号の入力を求める店舗も多いです。暗証番号の設定は、生年月日や連続数字など他人に推測されやすい番号は避けるようにクレジットカード会社も推奨していますし、多くの人はそのように気をつけていると思います。

したがって、暗証番号を紙に控えていて盗み見られるなどの状況がなければ、こういった悪用はあまり発声しません。

しかし、暗証番号入力には機材が必要ですし、番号忘れなどの面倒をふせぐために、一部の日常サービスを提供している店舗、たとえば、ガソリンスタンド、コインパーキング、コンビニ、スーパーなどは、暗証番号入力をしなくてもカードを利用できるようにしています。

また、ネットショッピングでは多くの人がクレジットカード決済をえらびますが、こういった場合、セキュリティコードといってカード券面に記載されている3桁の番号のみで認証をしていて、暗証番号の入力は求めないため、クレジットカードを入手したら他人でも買い物ができてしまいます。

②クレジットカードで購入した商品の転売

ふたつ目は、上記のように本人になりすましてクレジットカードで購入した商品を転売して、それを現金化して着服してしまう場合があります。

安全面を考えて、大量の札束を持ち歩く人は少ないですが、クレジットカードはたいていの人が1~2枚お財布にいれて携帯しています。持ち歩くと、おき忘れ、紛失、盗難にあう機会は当然増えてしまいます。

つい出来心で落ちているカードを拾った人が現金に困っていた場合などで、高額なブランド品などをネットショッピングで購入し、それを質屋に転売して現金を得るというケースもあるのです。

③他者になりすましてカードを発行

3つ目として、第三者が別の消費者であると偽ってクレジットカード申請をし、クレジットカード会社がそれに気づかずにクレジットカードを発行してしまうようななりすましの場合もあります。

2.クレジットカードを使った犯罪はどのような罪にあたるか

(1) 窃盗罪

まず、クレジットカードの盗む行為は窃盗罪にあたります。

窃盗罪とは、刑法235条に以下のように罪状と罰が定められる罪です。

刑法235条 窃盗
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(2) 恐喝罪・強盗罪

本人に気づかれずに盗む場合は窃盗罪ですが、クレジットカードを奪うために、暴行や脅迫などの手段を使った場合、と、窃盗罪よりも重い「恐喝罪」(刑法249条)や「強盗罪」(刑法236条2項)に該当する可能性があります。

他人を暴力や脅し文句によって圧迫して物を盗むという行為は、単に盗むという行為よりもより他人の法益を損なっているといえるからです。

恐喝と強盗の罪状と罰はそれぞれ、刑法249条と刑法236条に以下のように定められています。

刑法235条 恐喝

1 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法236条 強盗

1 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(3) 詐欺罪

一方、クレジットカードの不正発行、不正利用の場合は、クレジットカードをだましてお金を払うように仕向けるということですので、詐欺罪が成立します。

不正利用は、他人名義のカードを他人になりすまして利用することはもちろん、自己名義のカードにも成立しえます。

たとえば、銀行口座が空であり、それを知っていて、なおかつ今後特に収入が入ってくる予定もないのにクレジットカードを利用して高額の買い物をする行為は、クレジットカードにあたかも返済能力があるように信じ込ませて支払わせる行為ですので、詐欺にあたるのです。

詐欺罪の罪状と罰は重く、刑法246条に以下のように定められています。

刑法246条 詐欺

人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

窃盗、恐喝、強盗、詐欺など刑法犯罪に該当するようなクレジットカードの不正発行や不正利用をしてしまった場合、刑法と刑事訴訟法に基づき、警察に逮捕される可能性があります。

逮捕後、勾留や刑事起訴されてしまうこともあります。

①勾留

勾留とは耳慣れない言葉かもしれませんが、逮捕された被疑者や被告人の逃亡や証拠の隠蔽を防ぐために,刑事施設に留置して身柄を拘束することをいいます。

逮捕後の流れとしては,警察は逮捕後最大48時間以内に検察官へ送致する手続きを行い、検察官がそこから24時間以内に引き続き身柄を拘束するかどうかを判断します。

勾留が必要と判断した場合、検察官は裁判官に拘留を申請し、みとめられれば身柄をそのまま拘束します。

勾留は年に数万件単位でなされますので、クレジットカード犯罪についても証拠隠滅や逃亡などに疑いをもたれると行われる可能性はあります。

②起訴

起訴とは検察官が裁判所に対して、犯罪処罰を求める措置で、これを受けた裁判官が有罪か無罪かを裁判で判断することになります。

もし有罪判決を受けてこれが確定しますと、懲役や罰金などの処罰がくだされますし、前科がつく、ということになりますので、クレジットカードを不正利用してしまった人の人生は大きく変わってしまうことになります。

3. まとめ

大半の人がクレジットカードを所持している日本の現代社会では、クレジットカードを盗まれたり、出来心で盗んでしまい不正利用をしてしまうことがあったり、クレジットカードの犯罪に巻き込まれるリスクは、日常のすぐそばに潜んでいるともいえます。

特に出来心でクレジットカードを不正利用してしまい、後悔や不安にさいなまれている方は、放置しておくと窃盗罪や詐欺罪に問われてしまう可能性がありますので、お早めに弁護士にご相談ください。早期に償い、罪を軽くするすべを弁護士と相談していきましょう。

また、ご家族や知人が逮捕されてしまった場合、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

逮捕から72時間、つまり拘留申請がされるかどうかの決定前は、ご家族であっても面会できない期間になりますが、弁護士ならば被疑者となられた方と面会もできますので、早期に今後の対応について相談することも可能です。

東京、千葉、埼玉、神奈川に多数拠点を抱えている泉総合法律事務所は、刑事専任の弁護士や、元検事も弁護士も在籍しております。初回のご相談は無料となっておりますので、松戸市、柏市、鎌ケ谷市、流山市、JR常磐線・新京成沿線にお住まい、お勤めの方で刑事事件の被疑者となってしまった場合、是非一度ご相談ください。

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