刑事事件

盗撮で後日逮捕された場合の正しい対応方法

盗撮すると、その場では逮捕されなくても「後日逮捕」される可能性があります。
後日逮捕とは、犯罪行為をしたときではなく、後から警察の捜査の手が及び逮捕されることです。

では、盗撮で後日逮捕される理由はどのようなものであり、また、盗撮で逮捕されたらどのような罪になるのでしょうか?

今回は、盗撮によって成立する犯罪や後日逮捕された後の流れ、対処方法などの重要な事柄について解説していきます。

1.後日逮捕とは

「逮捕」には複数の種類があります。盗撮の場合は「現行犯逮捕」か「後日逮捕(通常逮捕)」です。

現行犯逮捕とは、犯罪を現に行っている犯人や、犯人として追いかけられている人をその場で逮捕することです。警察官だけではなく一般人でも行うことが可能です。
盗撮の場合、周囲の人に見つかってその場であるいは逃げ出した先でも取り押さえられたら現行犯逮捕が成立します。

後日逮捕は、犯罪が行われた「その場・その時」ではなく、後になって、警察が捜査を行い、逮捕状を取得して行う逮捕です。
こちらが逮捕の原則(通常逮捕)であり、現行犯逮捕は例外的な取扱いです。

後日逮捕できるのは警察官だけで、一般人には逮捕権限がありません。また、警察が後日逮捕する際、必ず裁判所に逮捕状を請求し、事前に取得して、逮捕時に被疑者に示す必要があります。

被疑者にも人権があるので、裁判所が被疑者の自由を制限するに足る理由を認めた逮捕状なしにむやみに警察官が逮捕する事は認められていないのです。

盗撮をした場合は、犯行後、数日〜数週間以上が経過してから、突然警察が自宅などにやってきて、逮捕状を示されて後日逮捕されることがあるようです。

事情によっては任意に話を聞きたいとして警察署などに呼び出されることもありますが、これに応じて出て行った結果逮捕されたり、応じなかった場合それを理由に逮捕状を取られたりと、その後の展開は様々です。

2.盗撮で後日逮捕される理由

盗撮は、比較的現行犯逮捕の多い犯罪ですが、なぜ後で犯罪が発覚して後日逮捕されるケースがあるのでしょうか?

(1) 防犯カメラに写っている

1つは、盗撮しているところや盗撮カメラを仕掛けているところが、防犯カメラ(監視カメラ)に写っているパターンです。

駅や公共の場所、店内などでは防犯カメラが設置されていることが非常に多いので、そういった場所で盗撮行為をしていると、後日に発見されて逮捕される可能性があります。
盗撮行為の多くを取り締まる迷惑防止条例は公共の場所での行為を対象としていますから、そのような場所では自然と証拠が残りやすいと言えます。

(2) 仕掛けていたカメラを発見される

盗撮には、トイレや更衣室などにカメラを仕掛けて撮影するパターンがあります。

この場合、不審に思ったトイレなどの利用者がカメラを発見したことから、盗撮が発覚し、犯人を特定されて逮捕に至るケースがあります。

(3) 他の犯罪で逮捕されて発覚する

盗撮犯人が何度も犯行を繰り返していた場合、一度盗撮現場を発見されると、スマホなどを調べられて過去の盗撮がすべて明らかになる可能性があります。

また、盗撮以外の援助交際などの犯罪で逮捕された場合にも、所持品であるスマホを調べられて過去の盗撮が発覚するケースがあります。

3.盗撮で成立する犯罪

では、盗撮をしたら、どのような犯罪が成立するのでしょうか?

(1) 迷惑防止条例違反

盗撮をすると、多くのケースで「迷惑防止条例違反」となります。

迷惑防止条例とは、公共の場における暴力的な行為やわいせつな行為、つきまとい行為などを規制するための自治体の条例です。
千葉県の迷惑防止条例の正式名称は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」です。

迷惑防止条例には、盗撮を禁止する条項も含まれています。
ただし、迷惑防止条例が禁止する盗撮は「公共の場所や乗り物内」におけるものであり、人の家の中などのプライベートな空間における盗撮は規制対象から外れます。

罰則は「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金刑」ですが、常習の場合には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑」となり、刑罰が重くなります。

(2) 軽犯罪法違反

プライベートな場所での盗撮やのぞき行為を禁止するのは「軽犯罪法」という法律です。
軽犯罪法は、軽微な犯罪類型を集めて処罰を定めている法律です。

その中では、「正当な理由なしに人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけずにいる場所をひそかにのぞき見た者」を処罰対象としています。

軽犯罪法の罰則は拘留または科料です。一般的な犯罪に適用される懲役や罰金よりも短期の拘束・少額の金銭納付を内容とするもので負担そのものは小さいですが、前科として評価されることは変わりありませんからできれば避けたいところです。

(3) 住居侵入、建造物侵入罪

私的な場所で盗撮行為を行った場合、軽犯罪法違反だけではなく「住居侵入罪」「建造物侵入罪」が成立する可能性があります。

住居侵入罪や建造物侵入罪は、管理権者の意思に反して住居や建物に侵入した場合に成立します。

一般に開放されている建物であっても、通常、住居や建物の管理権者は盗撮目的を持った人の侵入を許可しないでしょうから、盗撮目的を持って住居や建物に侵入すると住居侵入罪、建造物侵入罪が成立するのです。

住居侵入罪、建造物侵入罪の罰則は3年以下の懲役または10万円以下の罰金刑です(刑法130条前段)。

4.盗撮で後日逮捕された後の流れ

盗撮で後日逮捕されたら、どのような流れになるのでしょうか?

(1) 警察署内で取り調べ

まず、警察に連れて行かれて留置場にて身柄拘束されます。そして、警察官による取り調べと、多くの場合供述調書の作成が行われます。

(2) 48時間以内に送致か釈放される

逮捕後、立件が必要と判断されれば、48時間以内に検察送致されます。検察送致とは検察官のもとへ捜査関係書類と身柄を送られることです。

盗撮は、初犯で悪質性が低く被害者も許しているようなケースでは、検察送致されずに釈放してもらえる可能性もあります。

しかし、逮捕による短い身柄拘束中に被害者の許しを得たり被疑者自身に有利な事情を捜査機関に評価してもらったりすることには相当の困難を伴いますから、気安く期待できるものではありません。

(3) 24時間以内に拘留か釈放される

検察送致後、引き続いて身柄拘束する必要があると判断されると、24時間以内に検察官の勾留請求及びこれを受けた裁判官による勾留決定が行われて留置場内に身柄を留め置かれます。
このように捜査中に被疑者の身柄が拘束される刑事手続を一般に「身柄事件」と言います。

一方、逃亡や証拠隠滅のおそれがなく、身柄を引き取りに来る家族等がいて、逮捕に引き続いての勾留は不要と判断されると、逮捕による身柄拘束が可能な期間の終了とともに身柄は釈放されて在宅のまま捜査が進められます。
この手続を一般に「在宅事件」と言います。

(4) 身柄事件の場合、10~20日間勾留

勾留されて身柄事件となったら、その後10日間身柄拘束されて取り調べを受けることになります。10日間では捜査に不足する場合、さらに最大で10日間勾留期間が延長されます。

身柄事件になったら、逮捕から勾留期間満了まで最大23日間、警察の留置場に身柄を拘束されることとなります。

(5) 在宅事件の場合、在宅のまま捜査が続行

在宅事件になった場合には、被疑者であっても普通に日常生活を送ることができます。

その間に捜査が進められ、終了に差し掛かった頃に被疑者が検察庁に呼び出されて検事調べが行われます。その時期は検察の都合によって数週間後から数か月後まで様々です。

(6) 起訴か不起訴か決定される

身柄事件の場合も在宅事件の場合も、捜査期間が満了すると検察官が起訴か不起訴かを決定します。

不起訴になったらその時点で刑事手続きは終了しますが、起訴されたら裁判となり、裁判官が有罪か無罪か、有罪となった場合の刑罰の内容などを判断します。ただし、起訴された場合で略式手続に進む場合は、被疑者が罪となる事実を認めていることが前提ですので、ほぼ自動的に罰金刑を科す有罪判決が出されることになります。略式手続が行われる場合は、被疑者は検事調べの際に略式手続を行うことに同意する書面を作成するよう求められます。

5.盗撮で後日逮捕された際の刑事弁護

盗撮で後日逮捕されたら、早急に弁護士に対応を依頼すべきです。以下で、弁護士に依頼するメリットをご説明します。

(1) 逮捕直後の依頼で勾留請求しないように働きかけられる

盗撮で後日逮捕されたとき、早期に釈放されるには、勾留を防いで在宅事件にしてもらうことが有効です。

弁護士がいたら、検察官に勾留請求しないよう意見書等により働きかけることが可能です。

(2) 勾留請求されても却下を求められる

検察官が勾留請求をした後でも、弁護士が裁判所に勾留決定しないよう求めることができますし、勾留決定された後でも準抗告などの対抗方法によって争うことが可能です。

最近は裁判所が過去の過剰な身柄拘束の濫用を反省したためか、当初から勾留が認められない事案や準抗告により勾留が取り消される事案も増加傾向にあります。

(3) 被害者との示談を進め、不起訴にできる可能性を高める

盗撮で逮捕されたとき、処分を軽くしてもらうには被害者と示談を成立させることが重要です。

弁護士がついていたら、被疑者が逮捕されている状態でも示談を進めて成立させ、検察官に不起訴の申し入れをすることが可能です。

6.弁護士に相談すると、後日逮捕を防げる可能性

盗撮した場合の後日逮捕を防ぐには、早急に被害者と示談することによって、被害届の提出や刑事告訴を避けることが考えられます。

しかし、被疑者が自分で被害者に連絡しても示談に応じてもらえない可能性が高いので、早めに弁護士に相談して示談交渉を依頼しましょう。

泉総合法律事務所松戸支店は、千葉県松戸市の地元に密着して積極的に刑事弁護に取り組んでおります。
盗撮の後日逮捕が心配な方、家族が後日逮捕されてしまってお困りの方は、どうぞお早めにご相談下さい。

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