交通事故

加害者に誠意が感じられない!被害者がとるべき行動と責任の追求方法

加害者に誠意が感じられない!被害者がとるべき行動と責任の追求方法

交通事故で、加害者に誠意等が感じられない場合、被害者はどのように対処すればよいでしょうか。

今回は、加害者の責任を論じた上で、以下で解説します。

1.加害者の責任

(1) 民事上の責任

交通事故の加害者は、被害者に対し民法709条等に基づき損害賠償責任を負います。

さらに、交通事故を引き起こした運転者でなくともその運転者を使用して事業を実施していた者(例えば、運転者の所属する会社)であれば、民法715条に基づき使用者責任を負います。

さらに自分が所有する自動車を他人(子どもなど)運転することを許可又は黙認しており、その運転者(子ども等)が被害者に傷害等を負わせた場合には、自動車の所有者は、いわゆる自賠法3条に基づき被害者に損害賠償責任を負います。

なお、交通事故に係る民事上の責任において、被害者に強制的に謝罪を行わせることはできませんので、ご留意ください。

(2) 刑事上の責任

交通事故の加害者が、過失行為により被害者を死傷させた場合には、業務上過失傷害罪又は業務上過失致死罪に処せられます。法定刑は、5年以下の懲役刑若しくは禁固刑又は100万円以下の罰金刑と規定されております。

また、アルコール又は薬物の影響等により正常な運転が困難な状態で運転をしたなどの事情がある場合には、危険運転致傷罪として被害者を傷害したときは15年以下の懲役刑に処せられ、被害者を死亡させたときは、1年以上20年以下の懲役刑に処せられることがあります。

さらに酒気帯び運転等の交通法規に違反した場合には、道路交通法により処罰されます(例えば酒気帯び運転は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。)。

(3) 行政上の責任

交通事故の加害者は、交通法規に違反した場合には、行政上の責任として運転免許の点数の減点処分免許停止処分免許取消処分を受けます。

2.加害者に誠意がない場合等について

(1) 連絡がつかない

被害者が、加害者にいくら連絡しても、電話にでない、手紙に返事をしないまた後で回答するといってそのままになっているなどの事例が挙げられます。

連絡がつかないと、加害者とのやり取りが進みませんので、示談交渉が前進しません。

(2) 謝罪がない

被害者が、加害者に対し交通事故で被害を与えたことについても謝罪をしてもらえない事例が挙げられます。

この類型に含まれるものとして、加害者が交通事故はむしろ被害者の責任が生じたなどと責任を転嫁している事例があります。

ただし、上記のとおり交通事故における民事上の責任追及では、謝罪自体を強制させる手続きはありません。

(3) 暴言・暴行

被害者が加害者に交通事故の示談交渉で連絡したところ、被害者に謝罪をするどころか、加害者が被害者に対し、粗野な発言をし、また逆に被害者を責めるなどの発言を繰り返し、被害者に対し交通事故自体に与えた被害に加えて二次被害を加えるケースがこれに含まれます。

(4) その他

例えば、被害者の賠償請求したところ、総額100万円の損害に対する支払交渉において、特段の事情がないにもかかわらず、毎月1000円の分割提案を申し入れる等(年間回収額1万2000円となり、満額回収まで80年以上の期間を要します)の、加害者が長期化かつ低廉な金額の分割提案をするなどの主張に固執している場合も、被害者の対応に誠意がない類型に含まれます。

3.交通事故の加害者に誠意がない場合等の対処法

(1) 直接の交渉はやめる

加害者に誠意のないことが判明した時点で、加害者と直接交渉をするのは避けたほうがよいです。交渉を継続したところで、加害者の態度は変わりません。

もともと加害者と被害者は賠償をする者と賠償を受ける者、責任を負う者と責任を追求する者というように利害が対立している立ち位置になります。

そのような利害が対立する者の関係を修復することは困難であり、なによりもそのような者と交渉を継続すると、過度の心理的なストレスがかかり、被害者の心身に悪影響が出ないとも限りません。

したがって、直接の交渉は直ちにやめるべきです。

(2) 保険会社に交渉を委任する

例えば被害者も加害者も双方に損害が生じているような事故の場合(車と車の衝突事故で加害者が被害者に追突した事故などではない場合)には、被害者が加入している保険会社に依頼すれば、示談交渉を行ってくれます。費用は掛かりません。

ただし、保険会社の担当者は、法律の専門家ではありません。訴訟提起やADRの申立を代理する権限はありません。あくまでもこういった手続外の示談交渉です。

そして、なにより加害者に損害が生じていないか、過失において加害者が全面的に悪い場合には被害者の保険会社は加害者と示談交渉を行うことはできません。

(3) 弁護士に依頼する

弁護士は法律の専門家として法律を用いて交渉にあたります。

例えば、電話等で連絡がつかない加害者及び低廉な賠償額しか提示しない加害者に対しては訴訟提起や各種ADRの申立てを行い、加害者に真摯に対応せざるを得ない状況を作り出します。

さらに謝罪がないなどの賠償について誠意がない加害者に対しては、謝罪を強制できる手続は民事上ありませんが、例えば、後述のとおり、加害者に賠償に対する誠意がないことを慰謝料の増額事由として主張して、被害者の賠償額アップを狙う方策を講じたりします。

そして、なにより弁護士に依頼することは、被害者は加害者との交渉の矢面に立つことはなくなりますので、加害者の暴言などのストレスから解放されることになります。

このように弁護士に依頼することにより加害者が賠償について誠意がない場合に対処できます。

では、弁護士は、どのようにして、対応するのでしょうか。

まず、弁護士との間で委任契約が締結されると、弁護士は、加害者に対し「受任通知」を発送します。この受任通知には、弁護士が依頼者の代理人であること、弁護士の連絡先のほか、本件は弁護士が受任したので依頼者への直接の連絡は控えるように告知する文言が入っているのが通常です。

この通知を送付することにより、以後、示談交渉は、被害者と加害者の直接の交渉から弁護士と加害者の交渉に切り替わるのです。

また、弁護士に委任するとなると、費用の面が心配です。この点について、被害者の自動車保険に弁護士費用特約が付保されている場合には、基本的には弁護士費用は保険で支払われることになりますので、被害者が弁護士費用を自己負担する必要はありません。

また、そうでない場合であっても、月収が一定額以下の場合には、法テラスによる弁護士費用の立替払いをうけることができます。

(4) 刑事上の責任を追及する

加害者が交通事故で刑事上の責任を負うのは、検察官に起訴された場合です。そして、検察官が起訴をするかは基本的には検察官の裁量によるものとされています(刑事訴訟法248条)。

ここで検察官が起訴するかを決める要素として、交通事故の態様や被害の大きさに加えて、被害者の被害感情の大小も考慮されます。

具体的には、交通事故が発生し、警察署に届出がなされると、捜査が始まります。捜査においては、警察官又は検察官から被害者は事情を聞かれます。

ここで、確認されることの一つとして、加害者に対する被害感情がどのようなものかをいうものがあります。

例えば、あなた(被害者)は加害者と示談しましたか、若しくは示談成立の予定がありますか、という質問のほか、加害者を許しますかという質問までされることがあります。

加害者に賠償についての誠意がない場合、被害者としては、「加害者が賠償についての誠意がないため、示談交渉が進まず、苦慮している。」とか、「加害者に賠償についての誠意がないため、加害者を許すことができない。」といった回答を行うことで、検察官に加害者の刑事責任を重いことをアピールすることができます。

被害者がこのような供述を行うことにより、検察官は加害者を起訴したり、場合によっては、簡易な罰金のための手続きではなく、公判廷で裁かれるようにする公判請求が行われたりすることになるかもしれません。

このようなことにより、賠償についての誠意のない加害者に対し刑事的に一切の制裁を加えることが可能であるといえるでしょう。

(5) 民事上の責任において慰謝料を増額させる

民事上の加害者の責任を追及するためには損害賠償請求を行います。

損害賠償請求において、加害者から何を賠償してもらうのかといえば、交通事故により生じた財産的な損害と交通事故により生じた被害者の精神的苦痛を金銭に評価した慰謝料を賠償してもらうことになります。

この慰謝料は、交通事故と関係にある全ての事情を考慮して、裁判官が妥当と判断する金額によるものとされています。

そして、交通事故と関係のある全ての事情の中には交通事故後の加害者の対応というものも考慮されます。

例えば、加害者が一方的かつ重大な過失により交通事故を引き起こしたにもかかわらず、刑事裁判では交通事故の原因は被害者の速度超過にあるなどと述べ、被害弁償を全く行っていないという事例の裁判で、慰謝料の増額を認める判決がなされております。

また、加害者が捜査機関に対し被害者が赤信号で横断したという虚偽供述を行い、また責任を転嫁する供述に終始していたという事例の裁判でも慰謝料の増額を認める判決がなされています。

さらに加害者が重大な過失で交通事故を引き起こしたにもかかわらず反省の色を全く示しておらず、約束した謝罪行為を反故にしたという事例の裁判でも慰謝料の増額を認める判決がなされております。

このように、民事上の責任追求において、賠償に誠意のない加害者の態度を慰謝料の増額事由として用いて、被害者が取得できる慰謝料の額を増額するという対応も可能です。

4.交通事故トラブルはお早めに弁護士へ相談を

以上のとおり、加害者に賠償についての誠意がない場合の対処策について説明してきました。

実際に上記のような問題でお悩みの場合には、法律の専門家である弁護士のアドバイスを受けることを強くお勧めします。

泉総合法律事務所では、ご相談者様一人ひとりの問題に最適なサポートをご提案します。初回相談料は頂いておりませんので、交通事故でお悩みの方は、どんな些細なことでもまずはご相談ください。

特に、誠意のない加害者への対応は、早目に行うことが肝心です。

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