後遺障害とは?-松戸市周辺で交通事故に遭ってしまった人へ
後遺障害とは、自動車事故による障害の治療が終了したときに残存するその障害と相当因果関係があり、かつ将来においても回復困難と見込まれる精神的又は身体的な状態であって、その存在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うもので、自賠責基準の等級に該当するという要件を満たすものが、後遺障害とよばれるものになります。
この後で説明を補足しますが、後遺障害が認定されると、逸失利益と後遺障害慰謝料の請求が可能になり、賠償金の額が大きく異なってきます。
従いまして、後遺障害が認定されるか、認定されるとして何級になるかが大きなポイントです。
松戸という土地柄は意外と交通の便がよく、千葉市内や都心にお勤めの方の通勤圏内で、都内屈指のベットタウンです。
日常の交通手段としてマイカーを利用される方も多く、交通事故に遭ってしまった、交通事故を起こしてしまったという方も少なくないのではないでしょうか。
松戸在住の方は必読です。
このコラムの目次
1.後遺症と後遺障害
「後遺症」と「後遺障害」は同じもの?それとも違うもの?
通常、交通事故でけがをして一定期間治療しても治らないことを「後遺症」といいます。
他方、「後遺障害」とは労働能力の喪失を伴い、かつ自賠責基準の等級に該当することが必要です。
単に後遺症が残ったというだけでは不十分で、「後遺症」と「後遺障害」は冒頭で指摘した様に
- 労働能力の喪失を伴うもの
- 自賠責基準の等級に該当すること
が必要で、それぞれ区別されています。
2.後遺障害認定までの流れ
(1) 症状固定
後遺障害認定は「症状固定」の後に行われます。
症状固定とは、医師の判断により、それ以上治療を継続しても後遺症状が改善(変化)しなくなった状態です。
時たまに、相手側の保険会社から「そろそろ症状固定をしてください」と言われることがありますが、症状固定の判断は医師が行うべきであるため、例え保険会社から催促され、治療費を打ち切られたとしても、通院を継続することが大切です。
医師が症状固定を決定した際に尚も残っている症状が「後遺障害」として認定されることになります。
(2) 後遺障害診断書の作成
症状固定後、医師に「後遺障害診断書」を作成してもらうことになります。
遺障害診断書には決まった書式があるので、保険会社から該当の書類を取り寄せて、必要事項を医師に記入してもらいます。
後遺障害認定は書面審査が基本なので、適切なポイントを押さえた後遺障害診断書を提出できなければ、等級認定されないということもありえます。以下のポイントをしっかり押さえ、正確な内容の後遺障害診断書を作成してもらうことが大切です。
後遺障害診断書作成ポイント
頸椎捻挫、いわゆる「むち打ち」のケースでは、自覚症状が中心
レントゲン・MRIなどの画像診断は、後遺障害の認定を行う際、症状と後遺症の因果関係を調査する上で非常に重要視されます。
このような画像診断は、自覚症状を裏付ける証拠としても重要なため、頚椎捻挫(むち打ち)の場合には特に必要不可欠な資料となります。
頚椎捻挫(むち打ち)以外でも、正当な後遺障害の等級を認定してもらうためには、医師の的確な検査の元、正確な内容の後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。
頚椎捻挫(むち打ち)の場合、もし画像により事故と怪我の因果関係が証明できなければ、正しい後遺障害認定が受けられなかったり、非該当になってしまう可能性があります(感覚検査などにより被害者の症状を調べる「神経学的検査」により、症状を説明することが可能なケースもあります)。
交通事故の被害者に協力的で、被害者の方の症状に専門的な知識を有する医師の元で診断を受けることが大切です。
(3) 必要書類を揃えて申請
必要書類をそろえて申請することになりますが、申請の仕方によって異なります。
①事前認定
事前認定は、保険会社がすべての手続きを代行して申請をしてくれるやり方です。
保険会社がすべて代行してくれるので、この次に説明する「被害者請求」と比較したら、手間はかかりません。
しかし相手側の保険会社が手続きをするので、どこまで精密にやってくれるのかという疑問があり、提出する書類も必要最小限に留まります。
ご心配な方は次に説明する「被害者請求」によって申請するのが良いでしょう。
②被害者請求
被害者請求は、被害者自らが必要書類をそろえて申請するやり方です。
「保険会社まかせ」ということは避けられますが、被害者自身で適切な必要書類をそろえなければなりませんので、手間がかかるのは否めません。
主な必要書類は以下の通りです。
保険金請求書 | 保険会社ごとに書式が違います |
---|---|
交通事故証明書 | 自動車安全運転センターで入手 |
事故発生状況報告書 | 事故当事者などが作成 |
診断書、診療報酬明細書 | 病院で入手 |
交通費明細書 | 通院に公共交通機関やタクシーを使った場合に作成 |
休業損害証明書 | 事業主の源泉徴収票、または課税証明書なども |
後遺障害診断書 | 後遺障害の損害賠償を行う場合、医師に発行してもらう |
主な必要書類は上記の通りですが、事案によってはさらに必要書類の提出を求められることもあります。
必要書類が沢山あり、被害者ご自身で揃えるのは大変です。
また既にご指摘した通り、必要書類の中で一番重要なのは後遺障害診断書です。
必要書類の収集のほか、後遺障害診断書の作成ポイントも含めて、被害者請求に精通した弁護士のサポートが得られると良いでしょう。
3.後遺障害に認定された後
交通事故において、後遺障害に認定されると逸失利益と後遺障害慰謝料というものが請求できるようになります。
後遺障害等級は1級から14級まであり、認定される等級によってそれぞれの額は異なってきます。
(1) 逸失利益
逸失利益とは、後遺障害により労働能力が減少し、交通事故に遭わなければ本来もらえたであろう将来の収入の減少をきたす損害を言います。
計算式は、「事故前の基礎年収×労働能力の喪失期間×労働能力喪失率」計算されます。
労働能力の喪失期間や喪失率は認定される後遺障害等級によって異なりますので、後遺障害が認定されたとして、何級に認定されるのかが重要になってきます。
(2) 後遺障害慰謝料
慰謝料とは、交通事故被害者の方の「精神的な苦痛」に対する賠償として支払われるもので、その中でも後遺障害慰謝料は、生涯にわたって後遺障害を負ってしまったことに対する精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
後遺障害慰謝料の額についても、認定される後遺障害等級に応じてその基準額が設けられていますので、何級に認定されるのが重要になってきます。
5.まとめ
このように賠償金の多寡という点でいえば、後遺障害が認定されるかどうかで、大きく異なってきます。
泉総合法律事務所松戸支店では、交通事故に遭われた被害者の方のため、後遺障害等級獲得に向けたアドバイスを含め、事故直後から全面的サポートを行っております。
松戸市、柏市、鎌ケ谷市、流山市、JR常磐線・新京成沿線にお住まい、お勤めの方を始め、様々な地域の方から無料相談を承っていますので、是非一度、泉総合法律事務所松戸支店へご相談にお越しください。
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