交通事故

足の甲を複雑骨折してしまった歩行者の後遺障害認定

足の甲を複雑骨折してしまった歩行者の後遺障害認定

1.事故概要~Aさんご来所まで

私が担当した交通事故の案件をご紹介いたします。

この事故の内容としては、歩行者対車で、依頼者であるAさんは歩行者側でした。

より詳細に記載しますと、Aさんは、暗い夜道の中で、横断歩道のない道路を横断するために歩行していたところ、加害車が来て、足を踏まれてしまいました。その結果、Aさんの踏まれてしまった方の足は複雑骨折をしてしまいました。

その後、Aさんは治療を継続していましたが、足の甲が複雑骨折をしてしまったため、非常に残念なことに、障害が残ってしまいました。

Aさんは、ある程度通院した段階で、交通事故の事件については、弁護士に依頼することが出来、その方が適切な賠償を得られるということを知ったことから、ご来所されました。

2.Aさんご来所時点の分析から後遺障害等級獲得まで

Aさんのご来所時点では、Aさんの通院期間は比較的長いものであったことを記憶しています。しかし、Aさんのご来所時点においては、保険会社から特段何も言われていなかったことから、Aさんは後遺障害診断書等の作成準備等も特にしていませんでした。

治療期間については、あまり長すぎても、回復してしまう箇所については回復してしまい等級獲得の障害になるだけでなく、訴訟時に治療期間の争いになる可能性があります。

また、Aさんはしばらく医師のところに行っておらず、因果関係の問題が生じるリスクがありました。

このことから、漫然と治療を継続するよりも、速やかに後遺障害診断書を作成した方が、Aさんの事件を良い方向に解決することが出来ると判断し、私たちの方が主導してすぐに後遺障害診断書を作成してもらいました。また、その他の気になる点についても、全て後遺障害診断書上に記載してもらうことにしました。

それらを元に被害者請求をした結果、無事に予定通り後遺障害等級にして併合8級を獲得することが出来ました。

3.その後の示談交渉と適切な処理

その後は、獲得した後遺障害等級を元にした示談交渉を行いました。

比較的高位の後遺障害等級を獲得していたことから、初回の提示はそれなりに高い金額でした。

しかし、Aさんは高齢であり逸失利益が伸びなかったこと、歩行者として過失があったこと、かつ赤い本にして8割程度の金額であったことから、自賠責金額や既払い金を差し引くと、提示金額は1000万円に満たない金額でした。

しかし、そこから粘ることによって、示談金額が上昇することも多いです。

この事件においても、例に漏れず相当程度上昇させるため、まず、争点となっている個所で、動かせる可能性があるところはどこかを検討しました。

Aさんの事件においては、逸失利益は当方の想定通りだったことから動かせませんでしたし、過失割合については(様々な記録を取り付けても)動かせる要素がありませんでした。

しかし、特に過失を含めた点について争う姿勢を見せつつ、示談段階であることを条件に譲歩する代わりに、慰謝料などの増額を図ることにしました。示談交渉に至るまでの間に、事故からかなり経っていたことも相まって、赤い本の95%程度を打診した上で、休業損害についても争いました。

その結果、これ以上は訴訟にしてほしいと言われることとなり、その金額は1000万を優に超える金額になりました。

また、過失割合部分についても、人身傷害保険があったので、人身傷害保険の利用もアドバイスしました。

その結果、加害損保から支給される金額以外にも、過失割合の部分の金額として数百万円の保険金を受け取ることが出来ました。総額としては、自賠責から支給される後遺障害慰謝料の金額と併せると、数千万円になりました。

この事を検討することにより、満足のいく金額を示談交渉段階で獲得することが出来ました。

4.本件のポイント

本件でAさんが弊所にご来所された時点では、まだ治療中であり、しかも整形外科への通院を止めてしばらくした段階でした。

このタイミングを放置して、そのまま整形外科以外のところへ通院した場合には、「もう診ていないから分からない」と整形外科医に後遺障害診断書を書いてもらえなかったり、書いてもらえたとしても信頼性が相当低い後遺障害診断書になってしまったりします。

その為、適切な時期にご来所頂き、治療の打ち切りのタイミングを指揮できたということが、後遺障害の被害者請求につながり、また比較的高位の等級を獲得することが出来たことにつながったと思います。

また、交渉においても、初回の対案が元々高額だったのですが、粘りを見せることによって、目的とする金額にすることができました。

特に、Aさんの場合には、今回の後遺障害の発生が切っ掛けとなって、行っていた仕事を辞めざるを得なかったことから、慰謝料のみならず、休業損害の点についても無念もありました。

その気持ちを元に粘って交渉をした結果、適切な金額を勝ち取ることが出来ました。

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